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MANABLOG

会社を退職して独立への道を進んでいる25歳。趣味は合唱と指揮と20世紀前後のオペラ歌手鑑賞。

合唱指揮者が練習指導をするうえで、絶対に気を付けておきたいポイント。

音楽のコト

指揮者=歌い手の関係

バリバリ指揮者として活動していた時代、ぼくは年間300回を超える練習指導をしていました。

指揮者と歌い手の関係といっても、それは世間一般で思われているような

指揮者>歌い手」の関係ではありません。

 

指揮者=歌い手」の関係なのです。

 

指揮者と歌い手の間に隔たりはなく、歌い手が「今日の指揮者の練習つまらねーな」と思えば、彼らはそういう顔をします。「なんか指揮見にくくね」と思えば、彼らはストレートにそのことを口に出します。

ぼくはそういう環境の中で指揮者をやってきました。

 

今回は、そんな環境の中で「この指揮者は優秀だ」と団員に認めてもらったぼくが、合唱指導をするときに気を付けていたことをお伝えします。

 

1.自分のテンションを高く保つ

指揮者は、その空間にいる誰よりもテンションを高く保たなくてはいけません。

ここでいうテンションとは、練習に対するやる気。楽曲に対する熱意、音楽に対する情熱、こういったものです。

 

それはなぜか。

人間とは不思議なもので、集団でいた場合、その集団のやる気や集中力は、集団のリーダーに左右されます。

やる気に満ちたリーダーであれば、集団はやる気に満ちたものになりますし、逆に、否定的な言葉を多く口にするリーダーであれば、やはり同様の傾向がその集団には見られるようになります。

 

合唱団のやる気やテンションは、全部指揮者にゆだねられているんですよ。

指揮者が音楽に対してとてつもない情熱を持っていれば、たとえその指揮者に十分な力量が備わっていなくとも、合唱団はついてきてくれるます。

逆に、いくら優秀な指揮者でも、斜に構えた軽率な感じでは、合唱団はついてきてくれないんです。

 

指揮者になる、あるいは指揮者をやっているというあなたは、どうぞ誰よりも高い情熱を持って、練習に挑んでください。

 

 

2.一字一句気を付けて言葉を選ぶ

ぼくたち指揮者は、ときに何十何百という合唱団を相手に練習指導をします。

ここで絶対に気を付けておきたいのが、言葉遣いです。

 

「ソプラノさん、もうちょっと○○してください」

こんな感じに指示を出していれば、まぁほとんど問題は起こらないんですが、

「ソプラノ、違う! もっと○○ッ!」

こんな感じの言い方をすると、時と場合によっては合唱団から嫌われます。

 

練習が白熱してきて、お互いのテンションが高まっている場合なら、大丈夫だと思うんですね。ただ、指揮者と合唱団で信頼関係を十分に育めていなかったり、合唱団側のテンションが冷めていたりすると、こうした言葉遣いが。思わぬ障壁となって自分に帰ってきます。

 

実際、ぼくの指揮者の先輩がそうでした。

その先輩は、まさに上に挙げたような指示の出し方をしていて、練習後にソプラノから大ブーイングを食らっていました。

「ああいう言い方されると、やる気なくなるんですけど」といった風に(汗)

 

これはほんの一例ですけど、言葉づかいみたいな、音楽とは全然別のところで減点されてしまうのは非常にもったいないことです。こういうつまらない点はさらっとクリアして、指揮の技術で勝負できるようになってください。

 

 

3.話すときは相手の顔を見て

合唱団に指示を出すときには、相手の顔をしっかり見ます。

これには二つの効果があって、

  • 合唱団側が「自分に向けて指示を出してくれてる」と認識する=やる気UP
  • 合唱団が指示を理解しているかが分かる

ってのがあります。

 

どちらも大切で、前者によって合唱団と指揮者の間に信頼関係が育まれます。

そして、後者によって、自分の指示の出し方が適切だったか、合唱団がそれを理解しているか、指示を受けた合唱団はどんなテンションか、などなどいろいろなことが分かります。

 

 

4.前向きな表現しかつかわない

4つ挙げた中で、1,2を争うくらいに重要視してほしい項目です。

前向きな表現しかつかわないとは、すなわち否定的な表現を使わないということです。

 

これはどういうことか。

「ソプラノさん、そこ、ちょっと音低いです」ではなく、

「ソプラノさん、もうちょっと音高めにいきましょう」こっち。

 

「アルトさん、そこの歌い方いまいちです」ではなく、

「アルトさん、もっとカンタービレにいきましょう!」こっち。

 

ダメな点、出来ていない点を指摘するのではなく、もっとこうしてほしい! という指示を出す

これが、前向きな表現しかつかわないということです。

 

なぜ、このことをそんなに推すのか。

自分が指示を出されたと思ってみてください。

「そこ、音低いよ」「まだ低い」「ダメダメまだ低いよ」「まだ……」

こんな指示を出されたら、歌いたくなくなっちゃいますよね?笑

それよりも、

「もうちょっと高くしてみようか」「いいよ~、もうちょっとできる?」「そうそう、まだ足りないけど、いい感じだよ!」

こういう風に言ってもらった方が、断然頑張ろうって気になりますよね。

 

みんな同じなんです。

低い低いと言われていたら、直そうと思ってもどんどん低くなってしまいます。

棒歌いしないでと言われたら、直してるつもりでも棒歌いになってしまうんです。

これは、脳のメカニズム的にも証明されていることです。

(ここでは詳しく説明しませんけど、簡単に言うと、「○○しないで」の「しない」という否定語を、脳は認識できないんです。)

 

何か指示を出すときには、必ず前向きな表現をするように心がけてください。

その方が、みんなが笑顔になれますから^^

 

(おわり)